2015年
11月
11日
水
トップページでお知らせしていますように、7日に行われた「九州ジュニアフットサル大会大分県予選」では、予選リーグでキングス、トリニータと対戦しいずれも二桁失点を奪われ連敗。順位決定戦ではリノスに3-5で敗れ、3戦全敗という結果で大会を終えました。
今シーズンはずっと、「チャレンジしよう」「練習でやっていることを試合で出そう」「相手に点を取られても気持ちを切らさない・下を向かない」と言い続け、基礎技術の向上と並行してメンタル面の強化にも気を配って練習に取り組んできました。
迎えた大会本番は、初戦の開始早々キャプテンのゴールで先制点を奪う最高の立ち上がり。このまま勢いに乗るかと思われましたが、直後に同点ゴールを許すと後は踏ん張り切れず、ズルズルと失点を重ねるいつもの展開。バーモントでは30分で最大6失点に抑えることができましたが、今回は予選の2試合とも10点を奪われての大敗となりました。
まあ、他のチームに20点差以上もつけるような強豪、それも、大分を代表するビッグクラブを相手に30分で10失点なら、ある意味健闘したと言えるのかもしれません。
しかし、攻撃面ではキングス相手にこの1点だけ、トリニータには相手のミス以外、チャンスらしいチャンスを築けず、客観的に見ても圧倒的な実力差があったことは言うまでもありません。
さらに、これまで同じような場面で幾度となく顔を合わせ、勝ったり負けたりを繰り返してきたリノスにも惜敗。いや、リノス戦に関しては、相手がU-11であることを考えれば完敗と言ってもおかしくないかもしれません。フットサル専門チームでありながら、フットサルチームらしさも、爪痕の一つも残すことができず、敗れ去ってしまいました。
試合の結果に落ち込んだり、怒りに震えたり、子供達を褒めたり、おだてたり…色々と試行錯誤を繰り返してきた今シーズンでしたが、ようやく一つの区切りがつきました。
3敗という結果は残念ですが、今回はペナスタや佐賀ほどの失望や無力感はありません。大会の開催時期から考えて、参加してくるのはうちみたいにフットサルの専門チームかサッカーの強豪チームだろうと事前に予想はしていました。そもそも、全少の予選を目前に控えたこの時期にフットサルにスケジュールを割けるようなチームはそうそういませんし、そしてそんなチームは当然強豪です。そういう意味ではほぼ想定通りの相手・展開となりました。
そのせいか、今回は大差がついた試合でも落ち着いて見ていられましたし、試合内容についても冷静に振り返ることができます。
反省点は色々ありますが、結局のところ、ずっと言い続けてきた「練習でやってきたことが試合で出せなかった」のも、「相手に点を取られて立て直すことができなかった」のも、全ては試合経験の少なさによるものです。
どのチームよりもこの大会を重要視し、「最大の目標」と位置付けておきながら、子供達に充分な試合経験を積ませてあげられなかったこと。フットサル専門チームでありながら、フットサルの大会で初戦からリラックスして試合に入らせてあげることができなかったこと。練習でやっている技術を試合で使うタイミングを身に付けさせてあげられなかったこと…。
全てをひっくるめ、敗戦の理由は自分達指導者の力不足です。
理由がはっきりしているとはいえ、この状況は、この先もこの大分の地でフットサル専門チームとしてやって行く以上、大きな変化・好転は見込めません。むしろ、来年以降のメンバー構成を見る限り、今以上に苦しくなることは明らかです。
それでもチームとして活動を続けている以上、前を向いてやって行くしかありません。上手くいかなくても勝てなくても、前に進んでいく気持ちは無くしていません。今回は大敗してしまいましたが、自分達の置かれている状況を確認できたという意味では大きな経験となりましたし、フットサルのコートでミニサッカーをやっているというフットサル界の現状を打破したい、結局勝つのはサッカーが強いチームという構図に一石を投じたい、その思いでまた頑張って行くだけです。
ただ、いくら前に向かって行く気持ちがあっても、自分達指導者と実際に試合を戦う子供達との間で意識の差があると、その気持ちが薄れていくのは事実です。
7日の大会後に行ったコーチ達との反省会は、いつものようにすっきりしない空気に包まれていました。今回も色々な意見が出ましたが、結局「試合後に自分達がモヤモヤするのは、試合で子供達が全力を出し切ってくれないからではないか」という意見に落ち着きました。
勝負事なので負けるのは仕方ありません。最近は、自分達のレベルも分かっているつもりなので過度に一喜一憂もしません。
ただ、子供達に対しては、「もっとできるだろう」「自分達が持っているものがあるのになぜ出し切らないのか?」「なぜ出そうともしないのか?」
その思いでいっぱいです。
こちらも毎日毎日、彼らと同じ時間を過ごし、失敗も成功も成長もすぐそばで見守ってきました。指導も長くやっていますので、今の実力なら、これくらいの相手に対し、これくらいはできるだろう、これくらいの相手なら、これくらいの勝負になるだろうということは大体想像がつきます。ハーフタイムの度に、失点を重ねてベンチに帰ってきた子供達に「そんなに強い相手か?」と聞くと、「そうでもない」と答える。「○○よりも強いか?お前たちはそこと良い試合をしてるんだからもっとできるはずだ」と声をかけて送り出しても、また同じ展開の繰り返し。
自分達がすっきりしないのは、いつも、自分達が思う「これくらいはできるだろう」という予想を悪い意味で裏切ってくれるからではないか。
それが今回の反省会での結論です。
毎日のように練習に付き添い、身近で成長を見守り続けた彼らが本番で成功する姿を見て一緒に喜びたい。そう思っている自分達だからこそ、出し切ってくれなかった時の失望感は何倍にもなって帰ってくるのだと思います。
反省会といえば、レフェリングについての???もありました。
自分はベンチで選手目線で見ているためか、あまり審判の細かいジャッジは気になりませんが、今回は帯同審判としての出番を想定して勉強を重ねてきたコーチが多かったせいか、反省会でも審判のジャッジに関するクエスチョンが多く聞かれました。
「キックインとゴールクリアランスとで、4秒カウントのテンポが変わるのはなぜ?」
「キーパーが足でボールに触り、手に持ち替えたら4秒のカウントがリセットされるのはなぜ?」
審判に対する異議は厳禁。でもこれぐらいなら単なる感想の範疇で収まるのではないかと勝手に思っています。自分的には今大会のジャッジはうちの選手が倒されて頭を打った際の判断以外、特にストレスは感じませんでしたが、外で見ていたコーチからはこれ以上の厳しい意見も出ました。しかし、弱いチームが何を言っても負け犬の遠吠えになってしまいますので、この件に関してはこの辺でやめておきます。
ちなみに、大分県代表として九州大会への出場を決めたのは、大分トリニータジュニアとカティオーラフットボールクラブ。大分を代表するにふさわしい、サッカーのビッグクラブが順当に代表切符を勝ち取りました。
フットサル専門と言いながら、うちのチームのプレースタイルはどっちかというとサッカー寄りというか、割とオーソドックスなスタイルだと思っています。代表決定戦を戦うトリニータのゲームをスタンドから見ていて、改めてトリニータのやり方は自分達が目指しているスタイルの一つの理想形だということに気づかされました。ただ、言うまでもありませんが、相手は大分で一番サッカーがうまい小学生達が集まるチームです。うちみたいに6年生だけでメンバーが組める年がほとんどなく、5年生、いや4年生・3年生までかき集めて試合に臨まざるを得ないチームが同じやり方で対抗しようとしても、勝負にならないことはを火を見るより明らかです。
前々から言い続けてきましたが、そろそろ、うちらしいというか、うちのチームの特性に合った、チームとしての目指すべきスタイルを確立する時期に来ているようです。
話は変わりますが、最近、徐々にではありますが、うちのチームにも院内・安心院以外からの入団の問い合わせが増えてきました。「うちの子、サッカーをやっているんですけど、フットサルをやると足技が身につくと聞いて、フットサルもやらせようかと考えています。」一番多い入団希望理由です。
「フットサル=サッカーほどの力強さ、視野の広さは期待できないけど、足元の細かい技術は身につく」というのが、大方のサッカー関係者のフットサルに対するイメージではないかと思います。
果たして、うちの子達の足元の技術は、サッカーチームに比べて高いでしょうか?
大事な大会を前に、練習相手にさえ苦慮する現状。
サッカーチームに自分達が目指すフットサルの姿を見せつけられる現実。
もう少し、フットサルに特化したスタイルを目指したいと思いつつ、子供達に明確な道筋を示してあげられない現状に、勉強不足を痛感。
改めて、“フットサル専門チーム”を名乗る自分達を取り巻く現状の厳しさを思い知らされた大会となりました。
「出し切る」「下を向かない」以外に「フットサル専門チームとして恥ずかしいファウルをしない」と言い続けてきたにもかかわらず、バーモントに続いて今回もキックインでファウルを犯した6年生。
さらに、専門チームなら絶対的に有利なはずのセットプレーでボールの出し所を探し、結果、やすやすと相手にボールを奪われる準備の悪さ。
「フットサルのコートでミニサッカーをやっている相手をやっつける!」
目標は大きく持ちつつ、まずは足元を見つめ直し、フットサルのルールを、フットサルという競技を自分達が理解するところから始めた方がよさそうです。
2015年
11月
05日
木
先週末からの8連チャンに気を取られていたら、いつの間にか11月に突入していました。今年もあと2ヶ月。早いものですね。
ところで皆さん、ジャイキリ読んでますか?
大人気サッカーマンガ「GIANT KILLING」。
通称ジャイキリ。
サッカーマンガには珍しく、選手ではなく監督が主人公のこの作品。キャプテン翼のように必殺シュートが飛び出す訳でも、海外サッカーを舞台にしている訳でもありません。
国内リーグ(リーグジャパンとなっていますが)に所属する小さなクラブと監督・選手・スタッフ、さらにクラブを取り巻くサポーターや地域の人々、メディアまでもが丁寧に描かれており、代表よりもJリーグ派の自分にとってはたまらなく面白い作品です。
大分市に「宮じま」というお好み焼き屋がありますが、某Jクラブ選手の行きつけのお店と聞き、一度行ってみたいと思っていたところ、念願叶って先日ようやく行くことができました。その「宮じま」の本棚に普通にジャイキリが置かれているのを見て感激。
壁にも選手のサインがずらっと飾られていましたので、どうやら噂は本当のようです。
さて、このジャイキリ、リアリティのある試合描写やストーリー展開の面白さはもちろんですが、作中に登場する言葉にインパクトがあり、「ジャイキリ名言」として、ビジネスなどサッカー以外の場面でも役立つと話題になっています。
「お前ん中のジャイアント・キリングを起こせ」
前年までサテライトで埋もれていた若手選手(選手側の主人公)の才能を見出し、レギュラーに抜擢して使い続ける達海監督。しかし、なかなか実力を発揮できず、失敗を繰り返して落ち込むこの選手を勇気づけるためにかけた一言です。タイトルにも使われていますが、長年自分を変えたいと思いながら殻を破れずにいた若手選手が、この言葉をきっかけにクラブの中心選手に成長し、一気に五輪代表~フル代表へと駆け上がっていくきっかけとなった代表的な言葉です。
ちなみにこの言葉、今シーズンの天皇杯のポスターにも使われていますが、見た瞬間、天皇杯という下剋上が起きやすい、一発勝負のトーナメントに相応しいコピーだなと感心しました。
「ボールってのは、しぶとく諦めない奴の前に必ず転がってくるもんなんだよ」
同じく、達海に見出され、前線での豊富な運動量と献身的なプレスでアタッカーのポジションを務めていた若手選手の前に、ケガで出遅れていた昨シーズンのチーム得点王が復帰。ポジションを奪われそうになり、焦ってケガをしてしまって落ち込む若手選手に対し、ライバルであるはずのもう一人のベテラン選手がかけた一言です。
達海監督の言葉ではありませんが、「フィジカルもテクニックもない」と自覚しつつ、試合に起用してくれる監督の期待に応えようと、自分を信じてボールに飛び込んで行った結果、首位を走る大阪との大一番で決勝ゴールを挙げます。
「チームが前に進んでいるのに、お前達はそれでいいのか」
シーズン序盤、達海監督のもと、チームは大幅な若返りを図るとともに徐々に力を着けて行き、それまでの負けグセや負け犬根性を払しょくして勝てるチームへの過渡期を迎えます。しかし、中には長年中心選手としてチームを引っ張ってきたというプライドを捨てられず、それまでのスタイルを変えようとしない選手もいます。
これは、そんなCBコンビに対し、最後方から見守るベテランGKがかけた言葉です。
数多くの名言がある「ジャイキリ語録」の中、今の気分で一つだけ選ぼうと思ったら、真っ先にこの言葉が頭に浮かんできました。
バーモントの開催時期が早まり、例年とは異なるカレンダーで進行した今年度も残り少なくなってきました。6年生が参加する大きな大会は、今週末に行われる「九州ジュニアフットサル大会大分県予選」が最後となります。
昨年に続き苦しい戦いが続いた今シーズンですが、6年生最後の大舞台となるこの大会に向け、コーチ達と何度となく練習内容を見直し、練習回数を増やし、一人一人かける言葉を考え、時には寄り添い時には距離を置き、文字通り手を変え品を変え、試行錯誤を繰り返しながら今日まで取り組んできました。
練習環境は何とか整えてあげることができました。練習の内容も基本を見つめ直すとともに、今の子供達の実力・立ち位置と対戦するであろう相手のレベルを見比べながら、自分達なりに出来ることを考え、実行に移してきたつもりです。
しかし、結局試合をやるのは子供達です。
いくらおだてようが自信をつけさせようが、コートに立つ選手自身が後ろ向きなままでは前に進むことは出来ません。チーム全体が意識を変え、前に進もうとしているときに一人でも下を向いたり逆方向を向いている選手がいたら、勢いが失われチームはバラバラになってしまいます。それが高学年ならなおさらです。
今年はずっと、練習したことが試合で出せなかったり、立ち上がりに失点してしまったりすると、途端に(やっぱりダメか)とか、(どうせ勝てないだろう)と弱気になり、立て直すことができずにズルズルと失点を重ねるという試合を繰り返してきました。
そのたびに、諦めというか、失望にも近い苦い感覚を噛みしめてきましたが、いつまでもそんな気持ちを味わいたくはありません。
大差で敗れたバーモントの屈辱。
実力を出し切れずに敗れ去ったペナスタやSAGAでの無力感。
自分達は忘れていませんが、果たして選手はどうでしょうか?
「一歩ずつ地に足を着けて山を登れば、達海さんが頂上までの道案内をしてくれる。全員で新しい景色を見に行こう」
これは、チームを立て直すため、自ら「一選手に戻してくれ」と監督に訴え、キャプテンマークを外した前キャプテンに変わって就任した新キャプテンが、初めてキャプテンとして迎えた試合の前にチームメートに対してかけた言葉です。
流れとしては、「7日の試合ではジャイキリを起こしてくれ!」と書いて締めたいところですが、現実はそんなに甘くないことは承知しています。
どうか最後ぐらいは、最後までネガティブにならず全員が前を向き、同じ目標に向かって試合に挑んでもらいたいと思います。そうすれば、誰かに連れて行ってもらわなくても、試合が終わった時には今までとは違う景色が目の前に広がっているんじゃないかと思います。