2016年
12月
08日
木
先週末の日曜日、中津のLivento FCが主催するサッカー大会に参加しました。
Liventoさんには、サッカーチームにも関わらず、いつもたいへんお世話になっています。
実に1年ぶりのサッカー。簡単に勝てるとは思っていませんでしたが、雨の強まりとともに精彩を欠き、特にグラウンドに水が浮いた状態での安心院戦は0-10と大敗。
ほとんどぶっつけ本番で臨んだため、予想通りといえば予想通りの結果となりましたが、雨と足場の悪いグラウンドに腰が引けたうちの選手達と違い、雨でも変わらずボールを蹴り、パスをつなぎ、動き回る相手チームの姿に、サッカーのタフさ、フットサルとサッカーの違いをまざまざと感じさせられた一日となりました。
フットサルとサッカーの違い。
人によって感じ方は様々だと思いますが、今回自分が感じたのは、ゴールクリアランス(ゴールキック)の違い、それからコート内の人数の多さです。
まずはゴールキックについて。
キックではなくスローから再開されるフットサルの場合、キーパーからの組み立てとしては、基本的にボールを低い位置の選手に付けるか、ピヴォに当てるかの二通りに大別されますが、U-15の場合はノーバンでハーフラインを越えたらファウルになりますので、フットサルのディフェンスはたいてい相手の低い位置からの攻撃を想定し、前からプレスをかけたりコースを切ったりといったところから始まります。
一方、サッカーの場合だと、ゴールキックを出来るだけ遠くに蹴って強い選手に合わせてくるので、普通は守備側の中盤か最終ラインの選手が浮き球を競ることになります。
フットサル専門チームにとってはこの『空中戦』、いわゆる「浮き球」が「どこに飛んで来るか分からない」感じが非常に落ち着かないというか、フットサルだとかっちり前からはめて行くはずのリスタートが逆にしっくりこない、不安定さを生む原因のように感じました。
次に、人数の多さです。
これは、ボールの弾み方とも関係してくるのですが、うちの場合、普段は100%ローバウンドのフットサルボールで練習しているため、サッカーボールを扱うといつも以上にボールが体から離れてしまいます。今回はサッカーボールを使っての練習をほとんどしていなかったせいもあり、ゴールキックの競り合いに限らず、相手のボールをカットしたり、味方同士のパスの際にも全くボールがコントロールできずにルーズボールになってしまい、それをほとんど相手に拾われるという展開。
サッカーの方がフットサルよりスペースがあると思っていましたが、今回はコートを狭くしてくれたせいもあり、フットサルに近い距離感で試合は出来たものの、逆にいつもより人数が多すぎてボールに誰が行くのかはっきりせず、セカンドボールの対応で後手を踏んでしまいました。
もちろん、ボールがしっかり収まれば問題ないし、トラップが大きくなっても自分が取り返せば良いだけの話ですが、サッカーボールを使ってのトレーニングがわずか数日という状況では、そこまで詰めることは出来ず、本番になって準備不足で出場したことをひどく後悔しました。
フットサルとサッカーは別物、と目を瞑ってしまうことは簡単ですが、自分達はこういうタフな相手と戦っていく訳で、慣れないボールの扱いに戸惑い、ルーズボールを拾えず右往左往する子供達に申し訳なく思いつつ、それでも何かフットサルに通じるものがあるはずと思いながら見ているうちに、ぼんやりとではありますが、フットサルとサッカーの違い以外に見えてくるものもありました。
例えばディフェンス。
基本的に、フットサルでは相手にボールを持たれた場合は全員がボールの位置よりも下がります。
普段から、相手ボールの時はボールとゴールの間にポジションを取ること、相手よりも下がって数的不利を作らないこと、と言い続けているせいか、最近は相手にポゼッションされても人数をかけてある程度守ることは出来ています。
しかし、その状態でなかなかボールを奪えないと相手に回されっぱなしの状況となり、試合時間の経過とともに体力と集中力が切れ、1点取られるとこらえきれずにバタバタと崩れる、というシーンを何度も目にしてきました。
また、オフェンスに関しても、ボールを奪ってから攻めに移る一歩・二歩の速さの違いを痛感しました。現状、人数をかけて守り、相手のボールを奪ってカウンターという戦い方が一番可能性があるにも関わらず、『ボールを奪うこと』『奪って攻撃に移ること』といった、基本的な部分ができなければ勝負は目に見えています。
常々、相手との力の差を埋めるために、人数をかけて守り、攻めにも人数をかけようよと言っていますが、結局のところ、そこからボールを奪いきる力であったり、奪った後の判断を含めた速さであったりといった、個の力をもっと伸ばしていかなければ通用しないということを思い知らされました。
ただ、前向きに考えれば、ディフェンスに関しては人数をかけて守るところまでは出来ていますので、あと一歩の寄せや、守から攻への切り替えといったところが身に付けばもっとやれるようになるのではないかという気がします。また、今回は8人制ということもあり、4年生だけでなく3年生までかき集めて参加しましたが、これから彼らに体力とスピードが付いて来れば、自然と出来るようになる部分もあることと思います。
慣れないボールとコンディションに四苦八苦し、冷たい雨の中で散々な結果となった1年ぶりのサッカー。
あまりの大敗に、「サッカーだから仕方ない」と割り切って考えようと思っていましたが、サッカーを通して見えてくるものもありました。
昨年に続き、数多くいるサッカーチームの中から、3つしかない枠の一つをわざわざフットサル専門のうちに回してくれたLivento FCの村上代表の気づかいに、心よりお礼を申し上げます。もしかすると、うちに足りないものに気づき、そしてそれに気づかせてくれるために呼んでくれたのではないかと思っています。
フットサルとサッカー。
ボールの弾み方もコートの広さも人数も違いますが、 「一つのボールを奪い合う」、根っこの部分は同じですね。