2016年

9月

30日

サッカーから

先週末の飛び石連休を利用して、高知で行われた天皇杯3回戦『横浜Fマリノス対東京ヴェルディ1969』戦を観戦してきました。

 

高知では10数年ぶりに開催されるJクラブ同士の公式戦ということで、高知だけでなく、四国からもたくさんのお客さんが集まるのではないかと話題になったようですが、当日の観客数は5,733人。1万人は超えるだろうと思っていただけに少々残念でしたが、それでも入場者数が発表された時にはスタンドがざわめきました。前の席に座っていた3人組の男性客が、しきりに「なでしこの時は…」とか「なでしこの時より多い」とか話していましたので、どうやら過去になでしこリーグの試合があり、その時よりはお客さんが多かったみたいです。

 

マリノス対ヴェルディといえば、往年のサッカーファンならまず間違いなくJリーグの開幕試合を思い出すことでしょう。今では考えられませんが、週末のゴールデンタイムに地上波でJリーグが生中継され、満員に埋まった国立競技場で無数のフラッシュに包まれながら華々しく幕を開けた歴史的な一戦です。

その試合は横浜が2-1で勝利しましたが、ヴェルディはその年から2年連続してリーグチャンピオンに輝き、Jリーグ創成期の盟主の座を欲しいままにしました。

 

あれから20数年。

横浜はJ2降格の危機を迎えたシーズンもありましたが、ここのところ安定した強さでJ1の座を守っています。一方、ヴェルディの方は2007年のJ2降格以降、J1昇格とJ2降格を繰り返し、現在はJ2の下位に沈んでいます。Jリーグの前身である日本リーグ時代からしのぎを削り、ともに“オリジナル10”といわれる歴史と伝統あるチームでありながら、現在ではくっきりと明暗が分かれています。

その名のとおり、クラブ創設から50年近い歴史を誇る日本サッカー界屈指の名門クラブでありながら、Jリーグ開幕当初の華々しい栄光、そしてメインスポンサーの撤退やJ2降格等を経験したヴェルディ。

トリニータもJ1昇格に始まりナビスコカップの優勝やJ3への降格など、なかなかの浮き沈みを経験していますが、ヴェルディほど天国と地獄を経験したクラブもないのではないでしょうか。

 

試合内容も、そんな両チームの現状を反映してか、J1セカンドステージで優勝の可能性を残しているマリノスがヴェルディを圧倒。中村俊輔選手の直接FKを含む4得点でヴェルディを一蹴しました。

余談ですが、中村選手といえば左足からのFKが代名詞となっていますが、幸いにも、今シーズンは3月に博多の森で行なわれたアビスパ福岡戦に続き、中村選手の直接FKを2本も目の前で見ることが出来ました。

サイドチェンジでさえ糸を引くような美しい軌道を描く俊輔選手のキック。FKによるゴールともなると、その美しさは格別です。キックからゴールネットに吸い込まれるまでの、それこそ時間が止まったかのような不思議な感覚。そして一瞬遅れてスタンドにこだまする大歓声。素晴らしいゴールが決まった時にスタジアムを包む昂揚感、一体感はまさに至福の瞬間です。あの空間だけはスタンドで生観戦しなければ体感することができません。

普段、子供達には「どんなゴールも1点は1点だ!」と言っていますが、観戦するとなる話は別。中村俊輔選手の直接FKはお金を払って見るだけの価値があります。

 

そんな至福の時間に酔いしれた高知でのサッカー観戦でしたが、何点か気になったことがありました。スタジアム入場前の待機列の誘導、スタンド内での案内、物販テントの利用のしづらさ、帰りの自家用車の交通整理等々…

何点かと言いながら、あげればきりがなくなりそうですが、なにせ高知では10数年ぶりの公式戦。こちらはJの先輩である大分から来ていますので、「まあ、これからJリーグの試合を誘致することを考えれば、良いシミュレーションになったのかもしれないな」と、変な上から目線で自分を納得させました。

 

 

そう思うと、大分は本当に恵まれています。

 

4万人収容のスタジアムがあり、過去にはW杯も開催されました。

トリニータのおかげでJリーグのチームもほとんど見ることができます(した)し、何年かおきには日本代表戦も開催されます。色々批判はありますが、トリニータがなければこれほどサッカーやJリーグを身近に感じることはできなかったはずです。

 

ただ、現在はJ3なので、当然対戦相手もJ3のチーム。

選手には申し訳ありませんが、残念ながらJ1ほどのワクワク感はありません。

鹿島に浦和に横浜に…当たり前のようにJリーグの人気チームが見られた頃が懐かしく感じますが、一足飛びにJ1に昇格することはできませんので、とにかく今は1年でも早いJ2復帰を願うばかりです。

 

最近はフットサル教室の活動も忙しくなったため、大銀ドームへの足が遠のいていますが、今週末は小学校の運動会と重なりチームの活動はオフなので、久々にトリニータのホームゲームを観戦しようかなと思います。

 

明日から10月。

今年の10月は、フットサルではなくサッカーから始まりそうです。 

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2016年

9月

20日

周りを作る

3連休の最終日に予定されていた昨日の市民大会は、天候不良により中止。

 

久々に、宇佐のサッカーチームとガッツリ対戦できると思っていましたが、さすがに台風には勝てません。

昨年は多忙を極めたシルバーウィークでしたが、今年の3連休は結局初日の土曜日にリサナ・ロッソで行われた交流戦に参加しただけ。去年に比べ、かなり寂しい9月となりました。

年によって活動の浮き沈みが激しいのも、ジュニアフットサルの哀しい現実です。

 

予定がオフになった昨日は、久々にプライベートでトリニータのホームゲームでも見に行こうかと思いましたが、帰りの高速が気になってこちらも取りやめ。

心配された台風の影響はそれほどなく、ゲーム自体は予定通り開催されましたが、日中は何とか通れていた高速も、予想通り夕方から通行止めとなりました。しかも昨日は珍しく大分から通行止めとなりましたので、仮に20時に終了し、大分市内から混雑する一般道を通って帰ったとしたら、いったい何時に帰り着いていたことやら。

連休前半に大銀ドームで開催されたイベントとの兼ね合いもあったのでしょうが、3連休の最終日の18時キックオフというスケジュールは何とかならなかったのでしょうか…

 

ちなみに試合の方は、セレッソ大阪のU-23を相手にトリニータが2対0で勝利し、3連勝で2位に浮上。リーグ戦の序盤は勝ちきれない試合が続いたトリニータですが、何とかJ2との入れ替え戦圏内に入ってきました。

1年でのJ2復帰を目指すトリニータ。

J3での戦いも残り8試合となりました。首位との勝ち点差は5ですが、何とか自動昇格となるJ3優勝を勝ち取ってもらいたいものです。

 

トリニータといえば、この選手の話題を忘れていました。

宇佐市出身で、日本代表GKとして活躍する西川周作選手。

現在発売中のサッカー専門誌に西川選手の特集記事が掲載されており、その中で宇佐時代のエピソードが紹介されています。

比較的地元出身選手の多いトリニータですが、西川選手は宇佐生まれの宇佐育ち。小中学校時代を宇佐で過ごしており、地元では西川選手にまつわるエピソード・逸話も数多く残っています。

 

「キーパーだけどFKでゴールを決めまくっていた」

これは鉄板ネタ。

「駅川中時代には、休み時間にゴール前からパントキックの練習をし、反対側のゴールのクロスバーに当てていた」

これも宇佐でサッカーに関心がある人間ならたいていは知っているエピソードです。

 

これ以外にも、「ペッパー(シュート練習)がことごとく西川に止められるのでシュー練が本当に嫌だった」「中学時代は西川がキックオフシュートを決め、相手の猛攻を西川が守って勝つ。それが必勝パターン」などといった“西川伝説”は多数く残されています。

 

なお、同じ宇佐に住んでいながら、こちらはフットサル専門チームということもあり、残念ながら試合では一度も対戦したことはありません。しかし、教え子の中には中学生時代に宇佐FCで西川選手と同期だったという者もいて、今回紹介した専門誌に掲載されている集合写真の中に、その教え子が西川選手と一緒に写っているのを発見しました。また、彼以外にももう一人、フットサル教室のOBではありませんが、小学校卒業後に時々チームの練習に参加し、大人のフットサルでも一緒にプレーした後輩の顔を発見し、たいへん嬉しく思いました。

 

余談ですが、実はこの2人、どちらもうちのチームのコーチの兄でもあります。

西川の同期が2人、ではなく、『西川の同期の弟』が2人というのも、うちらしい話ですね。本当は、西川選手のエピソードより、このことを自慢したかったのかもしれません(笑)

 

小学生時代から将来性を期待され、地元のクラブでプロの門を叩き、順調に年代別代表にも選ばれ若くして日本代表入り。その経歴もさることながら、地元を大事にする言動や性格も含め、絶大な人気を誇る宇佐のスーパースター。

最近の日本代表の試合はあまり面白くありませんが、日本代表のゴールマウスを守る西川選手の活躍は楽しみです。

 

ちなみに、記事の中では当時の宇佐FCのコーチで、現在はFC DIARIOの監督を務めておられる山下監督も恩師として紹介されています。というか、山下氏の回顧が今回の記事の中心となっています。

フットサルでお世話になりっぱなしの山下監督に、コーチ(の兄)が2人。あと、今年の5月に特別コーチを務めてくれて、現在は中国のプロリーグで活躍中のあの選手も同期ですので、間違いなく同じ写真の中にいるはずです。

 

西川選手を軸に、サッカーチームでもなく、宇佐の外れの院内で活動する小さなフットサルチームのうちですら、これだけの人間が関わっている。

やっぱり、プロになるような選手、それも日本代表に選ばれるような選手は小さい頃から何かを持っているんだなと納得。

 

「周りを作り、人を引き付け、ワクワクさせる」

山下監督の言葉ではありませんが、これまでも何人か、周りを引きつける不思議な魅力を持つ教え子と出会うことができました。今ではそんな教え子たちに助けられ、励まされ、彼らとの再会を楽しみにしています。

周りを作り、人を引きつけ、そして自分自身も作っていく。自分の年ではもうそんな人間になるのは無理ですが、一人でも多くそんな資質を持った子供達と出会い、彼らの成長に関わって行きたい。

今回の記事を読み、そんな思いを強くしました。

 

サッカーダイジェスト9月22日号、今ならまだ本屋さんに置いているかもしれません!

 

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2016年

9月

07日

閉塞感

2018年ロシアW杯出場を目指すサッカーのアジア最終予選が始まりました。

 

先週行われたUAE戦を落とし、黒星発進となった日本代表ですが、アウェーで迎えた第2戦はタイに勝利し1勝1敗。UAE戦に比べサイドも使えていましたし、チャンスも多く作っていましたが、これが2戦目を迎えてコンディションも上がり、元々持っていたチーム力が発揮されてきたものなのか、それとも単にタイとのチーム力の差なのか、理解に苦しむところです。

 

ただ、これだけは強く感じます。

 

最近の日本代表の試合、見ていてあんまり楽しくない。

 

いや、サッカーは好きだし個人的には本大会よりも気になる最終予選だし、楽しくないというと嘘になります。楽しくないというか、ワクワクしないというか…

何ていうか、ザッケローニ監督時代から、やっているサッカーがほとんど変わっていない気がするのですが、気のせいでしょうか?

 

縦に速くとか、インテンシティを上げるとか、デュエルだとか、監督が代わる度に耳触りの良い言葉は聞こえてきますが、肝心の試合内容の方はどうなんでしょうか。

よく、日本代表の持ち味はコンビネーションと細かいパスワークでの崩しと言われていますが、DFがどっしり待ち構える前でちょこちょこ回しても、簡単に崩せるものではないはずです。

監督が代わり、やっているサッカーも変わっているのだと思いますが、正直、以前に比べて縦に速くなったのか、球際が強くなったのか、素人目にはわかりません。そもそも選手がほとんど変わっていませんし…本当に監督が目指しているサッカーなのか、メディア受けするキーワードだけが一人歩きしているんじゃないかと思ってみたり…。

 

 

さて、今さらですが、盛り上がりましたね、リオデジャネイロオリンピック。

オリンピックが終了してからずいぶん期間が空きましたが、最近、帰国したメダリスト達がバラエティ番組にちょいちょい出演しているせいか、改めて当時の感動が甦ってきています。

 

オリンピックというと、普段はほとんど目にすることがない競技に見入ってしまうから不思議です。今回も、柔道、水泳に始まり、体操、レスリング、バドミントンなど、いつもならテレビ中継されていてもまず見ない競技を夢中で応援しました。

時間帯の関係で、だいたい夜中から予選が始まって、勝ち上がって行く肝心なところは寝過ごし、目が覚めて結果を知る…という残念なケースがほとんどでしたが、それでも体操男子個人総合の内村航平選手が最終種目の鉄棒で逆転の金メダルを獲得した場面、レスリングの吉田沙保里選手が決勝で敗れ、マットに突っ伏して号泣した場面などをリアルタイムでテレビ観戦することができました。

吉田選手が決勝で敗れ、インタビューで「ごめんなさい」を繰り返すシーンは今見てももらい泣きしそうになりますが、個人的に強く印象に残っているのは今大会で大躍進したバドミントン勢です。

中でも、シングルスの奥原選手が準決勝に勝ち進み、勝てばシングルスで日本人初のメダル獲得となる大事な一戦で、ランキングでは格下のインドの選手に敗れ、メダル獲得は3位決定戦に持ち越しとなりますが、同じ日に続いて登場したダブルスの高橋・松友ペアが最終セットまでもつれ込む熱戦を逆転勝ちで制し、バドミントン界悲願の金メダルを獲得し仇をとるという、ドラマのような格好良さにテレビの前で興奮しました。

バドミントンといえばダブルスの印象が強かったせいか(実際、これまでほとんどダブルスの試合しか見たことがなく)、体格で劣る外国人選手相手に一人で堂々と立ち向かう奥原選手の姿が新鮮に見えたのも事実ですが、痛々しいほどのテーピングを巻いた右足を踏ん張りながら、歯を食いしばってシャトルを拾う姿に胸を打たれました。

 

本当に、普段はまず見ない競技でも夢中になれるのがオリンピックの良いところですね。開幕前はそれほど気に留めていませんでしたが、いざ始まってしまうと日本選手の活躍にくぎ付けになってしまいました。

 

皆さんの思い出に残ったシーンや選手は誰でしょうか?

 

ちなみにサッカーはというと、ご存じのとおり予選リーグで1勝1分け1敗となり決勝トーナメントに進むことはできず。残念ながらオリンピックで話題をさらうことはできませんでした。

初戦の相手が3位入賞したナイジェリアということもあり、対戦順が悪かったとも言えますが、やはり3試合しかないグループリーグの初戦を落とすと予選突破が苦しくなるということは間違いありません。

まあ、基本的にU-23のメンバーで予選を戦い、本大会には予選に出場していないオーバーエージの選手が3人加われるというレギュレーションもどうなの?という感じですが、オリンピックはもともとアマチュアスポーツの祭典とも言われていましたし、オリンピックの中のサッカーの位置付け、サッカー界におけるオリンピックの位置付けも正直微妙です。まあ、サッカーが早々に敗退したおかげで普段は目にすることのない競技をじっくり見ることができたのは事実ですが。

 

なお、今回のリオオリンピックで日本は金・銀・銅合わせて41個のメダルを獲得していますが、このうち柔道、レスリング、バドミントンの3種目で半分以上を獲得しています。

前回のロンドンで惨敗した柔道勢は、その後パワハラ問題等も噴出し強化体制を刷新。これが良かったのか、特に男子は井上康生監督の下で選考された選手が全員メダルを獲得するという快挙を達成しました。

また、女子レスリングに関しては、選手全員が代表チームのヘッドコーチを務める栄監督の指導する至学館大学の教え子・関係者ですし、大躍進を遂げたバドミントンも韓国から招聘した朴コーチの存在が大きかったと言われています。

 

改めて思ったのは、指導者の存在。前述した競技だけでなく、井村ヘッドコーチが復帰したシンクロなどは、その典型ではないでしょうか。

もちろん、監督の力だけで強くなるとは思っていません。代表チームの場合、監督はあくまで日本代表チームの監督であり、選手自身は普段は所属するクラブ等で指導を受けているはずです。代表選手に選ばれたから強くなるというものでもなく、日々の練習の積み重ねやジュニア時代からの指導者の存在も大事です。

裾野を広げ、選手を発掘し、選手だけでなく指導者も育て、有力な選手を選抜してさらに強化する…競技全体で同じ方向を向き、いかに全体のレベルを引き上げて行くか。

ジュニアから成人まで、全ての年代をカバーした強化の方向性、舵取りが大事となってきますし、人材豊富な柔道のように、「どの選手を代表に選ぶか」という観点でも協会の力・方向性が大事になってきます。 

そういえば、オリンピック終了後にバドミントン協会のお偉いさんが「オグシオ人気で全国的にバドミントン選手が増え、協会の登録者数がそれまでの倍近くになった。登録者数が増えるということは、協会費が増えるとということで、増えた資金をジュニアの強化につぎ込んだ結果がようやく現れた。」といった内容のことを言っていました。

まあ、これが一番の強化方法なのかもしれませんが、とにかく代表監督を選ぶのも協会関係者ですので、結局は、所属する協会、並びにその強化担当者の眼力が求められているということだと思います。 

 

 

A代表の低調な戦いぶり、オリンピック出場権を逃した女子代表、そしてフットサル…

 

何となく盛り上がりに欠ける感が否めないサッカー界。

 

他の競技に比べ、格段に裾野も広いし、体制も整っているはずですが、世界大会の出場権を獲得し続けている男子サッカーでさえも、アンダー世代はアジア予選を突破できなくなってきています。

 

裾野を広げ、体制を整え、そして肝心の強化は進まず… 

最近のフットボール界を取り巻く閉塞感に漠然とした不安を感じているのは、自分だけでしょうか。。。

 

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