キャプテンの涙

11月29日(土)、大分市のコンパルホールで行われた「バーモントカップ第24回全日本少年フットサル大会大分県大会」に出場した。

結果はヴェルスパに0対8、リノスに0対8と、2試合続けて大差で完封負け。2試合とも試合の入り自体はそんなに悪くなかったけど、どちらも相手に先に点を決められると、ヴェルスパ戦では相手の激しいプレスに手も足も出ず、リノス戦ではゴール前まで行くもののシュートらしいシュートを打てず、なすすべなく完敗。

結果を聞いた知り合いの方からは「メンバーが揃わなかったんですか?」と慰めていただいたが、直前に5年生が一人体調を崩したもののほぼベストメンバーで臨んでおり、言い訳のしようもない完敗。最後まで、「プレスを受けた時の組み立て」と「ゴール前での決定力」という、このチームが抱える課題を克服できないまま、漫然と大会を迎えてしまった自分達のミスだ。

 

振り返ると、チームの立ち上げ当初から、昨年同様に低い位置からボールをつないで行くスタイルを目指して練習に取り組んで来たけど、プレスが強い相手にそれをやれるだけの技術とフィジカルがないという事実を受け入れ、11月に入った頃から前線の選手に簡単に長いボールを入れていく形や、相手にボールを持たせ、パスの出どころをカットするやり方を試してみたものの、1か月程度の練習で身につくはずもなく、最後までやろうとしているフットサルをやり切らせることができずに終わってしまった。

 

一つだけ泣き言を言わせてもらうと、もしもメンバーが6年生ばかりだったとしたら、早いうちから勝負に徹し、引いて守ってカウンターに懸けるという現実的な戦い方を選べたのかもしれない。しかし、レギュラー5人中、3人が5年生というチーム事情を考えると、その手段を選ぶことにためらいがあったこともまた事実。

結局、自分達のマネジメントの失敗で、理想も貫けない、勝ちにも徹しきれない、中途半端な戦い方を子供たちに強いらせてしまった。申し訳ないの一言。

 

 

そんな惨敗を踏まえ、土曜日の夜はコーチ達との反省会を行った。今回だけは事前に予定はしていなかったものの、予選敗退が決まりコーチ達と話さなければ眠れそうになく無理を言って誘ってしまったが、それでも5人のコーチ全員が集まってくれた。

始めに簡単に試合の内容を振り返り、やりたいことが出せなかった、点差通りの完敗だったことを全員で認め、「落ちるところまで落ちたんだから、今日は遠慮せずに思ったことを言い合おうよ」と前置きし、反省会が始まった。

そうは言ってもコーチからは言いにくいだろうからと思い、まずは自分から「Aチームの指導をしている立場から言わせてもらうと、もう少し低学年の頃から止める・蹴るといった最低限の技術を身に付けさせてくれないと、戦術練習にならない」と切り出してみた。

すると、それまで言いにくそうにしていたコーチ達からポツポツと「そうは言っても…低学年は、Aチームに上がりたいと思って真剣に練習に取り組んでいる子もいれば、練習に来るだけで楽しいという子も混じっていて、そんな子にボールを大事にしろと言っても意味が伝わらず、全体で同じ練習をさせるのが難しいんです。」という内容の返事が返ってきた。

確かにその部分の問題は自分も感じている。

保護者からも「うちは体力づくりのつもりで参加させていますので、試合は遠慮させてもらいます。」と、はっきり言われることもある。

(もったいないな)と思いながらも、そもそも『いつでも、どこでも、誰とでも』を理念に掲げる総合型スポーツクラブに属している身としては、どこまで厳しく子供達に指導していいものかとの疑問を常に感じている。また、その理念に沿って申し込んできたお宅のお子さんに対し、「勝ちにこだわれ」などと言っても理解してもらえないのも仕方ないと思うし、実際、入ってみたけどこんなはずじゃなかったと思ってやめて行ったお宅も少なくないと思う。

いっそ、子供や保護者の意識に合わせ、エンジョイクラスと競技志向のクラスに分けようか、との意見も出たほどだ。

 

この問題に関してはすぐに結論が出そうにないので、じゃあ今日の試合を振り返っての感想を、と話題を変えてみたところ、「自分はベンチに入ってなくて、たまたま相手のベンチの真上で見ていたんですが…」と言いながら、最年少のコーチが遠慮がちにこう話してくれた。

「2試合目のハーフタイムで、リノスの西村さんが『相手が一番嫌がるプレーは何か考えろ。相手が一番嫌がるのはシュートだろ。ならシュートを打てる状況を自分達で作ろうよ』と言って、そのあと選手だけでミーティングをしたんです。そしたら、後半はバンバンシュートを打って来て、正直すごいなと思いました。」と。

 

確かに、リノスの試合中、貴重なハーフタイムに選手だけで輪になって話していることに気づいていたけど、指導者からの的確な指示(というかヒント)と、その答えを自分達で探し、すぐに実践してみせたリノスの選手の能力の高さに驚かされた。

 

じゃあ、それは西村さんの指導力なのか、それともそれができる選手を選んでいるのか、そもそも最初からそんな選手が集まっているのか、という議論になった。

さすがに、最初からそんな選手が揃っている訳ではなく、西村さんがそういう風に選手を育て、それができる選手を選んで大会に連れて来ているのではないか、との答えに落ち着いた。 もちろん、6年生が中心だと思う。

初戦のヴェルスパも6年生だけで選手を揃えたと言っていたし、ハーフタイムの短い時間に指導者の指示を理解し、自分達で立て直すことのできたリノス。

6年生の中からメンバーを選べるチームと、6年生を選んで連れて来なければならないチーム。この差は大きい。

 

もちろん、今年の6年生は彼らなりに精一杯頑張ってくれたと思っている。

去年、それこそ常に少しでも上を目指す、志の高いメンバーが奇跡的に5人揃ったチームですら、ギリギリの勝負を繰り広げてようやく決勝トーナメントまでたどり着いた。

去年の時点では、正直、来年はバーモントには出れないかもしれないな…と思っていたけど、2人しかしない6年生(名簿上は3人だが)がそれぞれ目標を持ってチームを引っ張ってくれた。少ない6年生を何とか鍛え、バーモントカップに連れて行くつもりだったけど、いつの間にかその6年生に引っ張られて、2年連続してバーモントカップに連れて来てもらった。今は感謝の気持ちでいっぱいだ。

そんな数少ない6年生が試合に出れるレベルに育ってくれても、それでも埋まらないメンバーは下級生で補なわなければ試合に出ることすらできない。改めて、自分達の置かれている現状の厳しさを思い知らされた今年のバーモントカップだった。

 

ただ、下を向いていても仕方ないので、強いてうちのチームの利点を探すとすれば、6年生が少ない分、嫌でも下級生にAチームの試合経験を積ませてあげられることだろうか。幸い、今回も選手登録した11人全員を試合に出すことができた。6年生になっても試合に出れないチームもあれば、うちみたいに低学年の頃から6年生に混ざって試合に出れるチームもある。どっちが良いのか分からないけれど、この経験を生かすも殺すも自分次第。試合が終わり、号泣する6年生の姿を目の当たりにし、彼らなりに何かを感じてくれたのであれば嬉しいが、試合後の態度や帰りの車中の様子を聞く限り、まだまだ5年生にはそんな兆しは感じられない。

 

6年生にとっての大きな大会は終わったが、フットサル教室で過ごす日々はまだ4カ月残っている。我慢しきれず人前で流した涙の意味を後輩達に伝えて行ってもらえれば、流した涙も決して無駄ではないと思う。

 

最後になりましたが、いつも私たちの活動にご協力して下さっている保護者の皆さん、院内フットサル教室を応援してくれた皆さん、大会の運営に携わっていただいた関係者の皆様、対戦相手の選手・指導者の皆様、練習試合に駆け付けて下さった大平山AFCとリベントFC、何よりNFCの関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。

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コメント: 4
  • #1

    いち保護者 (水曜日, 03 12月 2014 12:06)

    いつもいつもコメントしてすいません。
    監督の話を見ていると、ついつい一言コメントしないと落ち着かなくて。

    改めて、バーモント大会お疲れ様でした。
    結果を見るだけでは、「手も足も出ず完敗」といったところでしょうか。
    4月から新チームとなり、監督コーチ、保護者も一体となって頑張ってきた結果がこれでは、今までの練習や練習試合、交流戦は何だったのかと考えさせられます。
    一点も取れない現実に加え、圧倒的な力の差を目の当たりにし、子供たちも少なからずショックを受けていることでしょうね。
    ただ、交流戦での選手の涙、今回のキャプテンの涙、差が明らかだろうが何だろうが、そんなのはこの涙が今後の練習や試合に活かされるはずと願ってます。

    涙を流しながら悔しがる子もいれば、悔しがらない子もいる。
    ボールが蹴れればよしとする子もいるし、体力作りになればと参加している子もいる、そんな多種多様な考えをひとつにまとめるのも苦労されていると思います。
    おそらく今はバーモントの結果を受けて教室としてどん底のような気分だと思いますが、この「完敗」という結果が、これからの教室の転機となるいい機会だと思いますので、これからも熱い指導をよろしくお願いします。

    でしゃばった言い方になってすいません。

  • #2

    justice friend (金曜日, 05 12月 2014 09:54)

    バーモントカップ、お疲れ様でした。

    まず、
    我々大平山AFCが、グレイトサラマンダーのバーモントカップへの踏み台になれなかったことを申し訳なく思っております。


    私個人的なものですが、
    6年生最後の試合で負けた時に虚無感を通り過ぎて、結局いつも辿り着く心境は、
    後悔は後悔で終わらず、後悔は必ず夢になる
    という自身への慰め(?)です。

    選手(6年生)の、次の目標としての夢
    指導者の、次の目標としての夢

    我々指導者は6年生のこの涙を忘れたくはありませんよね。

    次は待ってません。
    次の選手達にこの涙の意味を伝えていきましょう!!



    近々、またお邪魔させて下さい。

  • #3

    藤原 (日曜日, 07 12月 2014 23:43)

    いち保護者さん

    先週は多忙のため、またなかなか考えもまとまらず、せっかく励ましのコメントをいただいておきながら、お返事が遅くなってしまいました。

    大会から一週間がたち、今は中途半端に接戦で負けるより、大差で負けて良かったと思っています。良かったというと子供達や6年生の保護者に失礼かもしれませんが、実力が点差に現れ、現実を受け止めることができたという意味においてです。

    バーモントに向けてチーム一丸となって頑張ってきたつもりですが、その間や、大会が終わった直後にチームを離れて行った子もいれば、試合の結果にこらえきれず涙を流す子もいる。今はチームとしての目標を定めることが難しい時期に差し掛かっていますが、一方で、自分なりに何となくではありますが、小学生のスポーツチームの目指すべき方向性が見えて来つつあります。

    すぐに結果が表れないかもしれませんが、今後もこの教室の活動を長い目で見守っていただければ幸いです。
    今後も遠慮なくコメントを寄せてください!

  • #4

    藤原 (月曜日, 08 12月 2014 00:03)

    justice friendさん

    私用のため、お返事が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。

    踏み台どころか、大平山さんとの練習試合がなければ、本番では試合になっていなかったかもしれません。出稽古や水曜フットサルのお誘いを断り続けているうちのことをいつも気にかけていただき、お礼の言葉もありません。

    特に、バーモント前の水曜フットサルに誘っていただきながら、選手の体調面と、何より自分のスケジュールの都合をつけられず、せっかくの機会を逃してしまいました。
    その結果の大敗。
    自分のこのような甘さがチームを強くすることのできない最大の理由だと自覚させられました。今は後悔でいっぱいで、とてもいつか夢になるとは思えませんが…

    とはいえ、すでに次の目標に向けて一歩を踏み出している子供もいますので、自分も気持ちを切り替えてやって行きたいと思います。
    6年生の涙を忘れず。

    今後ともよろしくお付き合いの程お願いいたします。

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