予選リーグ2勝1敗、グループ2位となり決勝トーナメントに進出。
先週の土曜日は、はるばる福岡の八女まで行って、JFAエンジョイ5【U-11の部】に出場してきました。
3年ぶりに進出した決勝トーナメントでは連敗し、惜しくも入賞は逃すものの、準決勝では0-3と先行されながら2-3まで追い上げ、結果的に優勝したチームを一番追い詰める試合ができました。また、3位決定戦でも0-1から一旦は同点に追いつくなど、久々に気持ちの入った試合を見せてもらうことができました。
それもこれも、主力選手の体調不良により、急遽先週の木曜練習からFPにコンバートした5年生ゴレイロのおかげです。
チームが奪った11得点中、実に10点をマーク。
PKの原因となったプレーを含めると全得点に絡むなど、欠場した4年生FPの穴を補って余りある大活躍でした。
今日は彼の話題に触れない訳にはいかないでしょう。
元々キック力はチーム一なので、うまくフリーでボールが持てれば…と期待してのFP起用でしたが、蓋を開けてみれば思惑通りのシャープな振り足からのミドルだけでなく、1対1で相手を背負い、反転してからのシュートや、前を向いてボールを持ち、競り合った状態からのドリブル突破など、フィジカルの強さを活かした多彩なゴールパターンで得点を量産。
キック力や味方からのパスをしっかり収める体の強さだけでなく、収めてから捌ける足技やキックのバリエーションなど、足元の技術もFPと遜色ないところを見せてくれました。
本人の希望もあり、ここ数年、全体練習ではほとんどゴレイロの練習しか行っていない彼ですが、試合中に時折見せるボールタッチやミドルシュートの威力、ボールの芯を捉えるミートの正確さなどから、チームの練習以外でも意識を持って良いトレーニングが出来ていることは想像していたものの、良い意味で予想を裏切る出色の出来でした。
3日前までゴレイロの練習ばかりしていた彼が、なぜこれほどFPで活躍できたのか。
うちのチームが抱える課題を解く鍵は、この辺りにありそうです。
結果だけ見ると得点力ばかりが注目されますが、守備では抜かれた味方のサポートに素早く入ってスペースを埋めてくれましたし、2試合目以外はそれほどチャンスが多くなかった攻撃をことごとく得点に結びつけたのも、味方からパスが出そうな位置やボールが来そうな位置を予測し、そこにポジションを取れるセンスの良さがあるからです。
一言で言うと、フットサルを知っている。
ボールを収めてターンし、シュートに持って行く。
無理ならしっかりキープして味方の攻め上がりを持ち、確実につなぐ。
「自分達が前線の選手にやってもらいたかったことはこれなんだよな」と、試合後に何度コーチ達と頷き合ったことか。
相手に押されているんだから、前に残っていないで守備をしようよ。
マイボールになったら味方を追い越して前に人数をかけようよ。
自分がもらいたい位置で待ってばかりいないで、味方がボールを出せそうな位置に顔を出そうよ。
練習中、FPの子供達にかけているアドバイスです。
基本的なことばかりと思われるかもしれませんが、こんな基本的なことを繰り返し、文字通り手取り足取り教えなければいけないのが現状です。
それがコーチの役割と言われればそれまでですし、分からない子供達に練習を通じて理解させる、それが指導だと言うことも分かっています。
ただ、いくら口で言って分からなくても、見て気づくことはあるはずです。
コーチから言われなくても、フットサルに触れていれば自然とできるようになる動き、サッカーやフットサルの試合を見ていたら自然と身に付く動きというものが、少なからずあると思います。
自分達が「テレビでサッカーを見ろ」「Fリーグを見に行け」と言っているのはそういう目的があるからで、今回活躍した彼は、うちのチームでもFリーグの試合を見ている回数は断然多いはずですので、そういう意味でいうと、急造とはいえFPとしてのイメージは誰よりできていたのかもしれません。
練習も大事ですが、「百聞は一見にしかず」という言葉通り、やはり本物の試合、うまい人のプレーを見ることは大事だな、と感じさせられました。
もちろん、それができる環境・保護者のサポートは必要です。
本人のやる気と、それを受け止める練習環境と指導。
試合を通じて習熟度や現状を確認し、さらに成長段階に合わせて適切な刺激を与える。
なかなか試合を経験させてあげることができず、スポーツチームとしてあるべき体をなしていないチーム事情ではありますが、昨年急成長した6年生の例もあるように、本人の意識や環境、家族のサポートで一気に伸びる可能性も秘めています。
ここのところ、うちのチームに足りないものばかり考えていましたが、そんなチームでも勝負できないことはない。
そんなことを考えさせられた今大会。
そう思うと、この日の彼の活躍は、偶然でも何でもなく、必然の結果と言えそうです。
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